日本の伝統芸能『和妻』とは?

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目次

『和妻』ってなに?

 和妻(わづま)とは、日本に伝統的に伝わる日本独自の奇術・手品のこと。

 今で言う『マジック』のことを江戸時代には『手品』また『手妻(てづま)』と呼び、独自に発展を遂げていました。しかし明治以降、西洋式のマジックが隆盛を極めていくにしたがって、日本独自のマジックは衰退していきます。そして戦後、かろうじて生き残ったこの日本独自のスタイルのことを西洋マジックと区別するために『和妻』と呼ぶようになりました。
 西洋マジックのほうは、和妻の対義語として『洋妻(ようづま)』と呼ばれることもあります。

 和妻の特徴は、からくりを使った芝居という部分に表れます。
 『トリック』を使って『不思議』を演出する西洋マジック(洋妻)とは、異なる主眼によって構成されているのです。

 和妻は主に口伝によって受け継がれてきましたが、そこから派生して、現代になって生み出された演目は、『現代和妻』と呼ばれることもあります。

 日本におけるマジックが『和妻』と呼ばれるまでの歴史は、こちらの記事もご参照ください。

和妻の代表的な演目

水芸

・水芸
・胡蝶の舞(こちょうのまい)
・お椀と玉
・連理の紙
・サムタイ

 上記のような演目が、和妻の代表的な演目です。

 しかし、これらの演目だけではなく、衣装や舞台もまた、和妻の重要な構成要素となっています。
 和妻では、シルクハットやタキシードではなく、和装で演じますし、現代ではなく、江戸時代を思わせるような背景や小道具を使用します。

現代における和妻の位置付け

 実は、現代日本において、マジシャンの多くは洋妻師であり、和妻師は大変少なくなっています。
 そのため、『和妻』という伝統芸能が途絶えてしまうことが危惧されるようになりました。
 そのような背景があり、その状況への対策も講じられています。

 1997年5月に、『和妻』は、『記録作成等の措置を講ずべき無形文化財』に指定されました。
 現在では、公益社団法人日本奇術協会の和妻保存会にて、伝承活動が行われています。

 「和妻」とは、西洋奇術に対する日本伝統奇術をいう。和妻は、近世に芸能としての確立をみるが、その起源は奈良時代に大陸から伝来した散楽の演目にまでさかのぼる。近世期には「手妻【てづま】」または「手品【てじな】」と称して、三都を中心に盛んに興行を行い、また解説書なども出版されるなど流行した。
 明治以降、流入した西洋奇術と区別するため、日本手品を「和妻」と称するようになるが、しだいに派手な西洋奇術に押され、和妻専門の奇術師は減少している。
 和妻の特色は、代表的演目である「紙蝶【しちよう】の曲」や「水芸」にみられるように、手先の技術と簡単な仕掛けを用い、囃子・口上にあわせて芝居がかりに演出する点にあり、トリックのアイディアを主とする西洋奇術とはその趣を異にするもので、日本の伝統的演芸として芸能史上重要な位置を占める。

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 2021年10月29日(金)、30日(土)、和妻師の上口龍生さんの和妻公演会が開催されました。
 活動報告はこちらから。

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